「ありかた」研修の進め方~

「ありかた研修」は、職場学習と言われる形式の研修です。従来の一人ひとりをターゲットにした1回きりの研修と異なり、複数の同僚と一緒に複数回にわたって討議を行う点が大きな特徴です。

「ありかた」研修の進め方~ 3回のワークショップと作戦会議

「ありかた研修」は3回にわたった討議型の研修となります。

1
事前打ち合わせ


事前に、会社がかかえる課題、会社の歴史、参加者のプロフィールなどを伺い、今回のワークショップの進め方や重点ポイントを設定します。

2
ワークショップ1回目の実施

「ありかた」研修は職場学習であり、コーチングやカウンセリングではないため、参加者複数での討議で進めていきます。また、適宜講師が介入していきます。

3
ワーククショップの宿題と次回に向けた振り返り

参加者にはワークショップ修了後に宿題を行ってもらい、事務局の皆様とは、次回に向けた振り返りと次回の進め方について打ち合わせを行います。

「正解のない問いかけ」と「講師からの指摘」

「ありかた」研修は1回2時間、全3回のワークショップとなっており、ワークショップとワークショップの間で、参加者一人ひとりが決めた宿題を実践していただいています。

「ありかた」研修では、講師は参加者に対する質問と指摘に徹します。課題の本質に気付くためには、具体的なエピソードを共有しあい、講師からの問いかけに対して考えることが必要になります。

  1. 討議したエピソードや、他の人の話から学んだこと・感想を共有します。
  2. 話し合った結果、合意した点、見解がわかれた点を確認していきます。
  3. 討論テーマ以外で、議論が深まった内容を考えていきます。

次回までの宿題と実践

各ワークショップの終了時に、「次回までに何をするのか」を各自に発表していただきます。講師からは宿題を出す事は基本的にはありません。
宿題があり、かつ講師が宿題を出さない理由は「抱える問題の内容と、内観の深さは一人ひとり異なる」ためです。それぞれの実力・内観の深さにあった課題を自ら見つけること「自分が挑戦してみよう」という課題に挑戦していただくことも、「ありかた」研修の特長です。

参加者自身が決めた次回までに実践できる課題は職場で実践いただき、次回のワークショップ開始時に、実践の結果を発表していただきます。
実践の発表をする効果は、他の参加者への気付きを与えることの他、「やると言ったがやらなかった」ということを防ぐ目的もあります。

「ありかた」研修の特長・考え方

原点を見つめ直す~

「ありかた」研修は、自分自身または職場の「ありかた」を考えていく研修です。

「ありかた」を考え、職場の課題を解決するためには、自分自身に問いかける「内観」と「内観の結果を踏まえ、自分は何ができるのか?」を明らかにし、実践していくことが必要です。参加者の方に対する「内観と実践」を一定期間続けることで、教育研修では現れなかった変化を起こしていきます。

もちろん「内観しましょう」といっても人は変わりません。

例えば

「この拠点でハラスメントが無くならないのはなぜか?」
「コロナ禍の中、わが社の営業スタイルは、どうあるべきなのか?」

など、身近な課題を題材とした内観のきっかけとなる基軸となるテーマを設定し、3回のワークショップを開催します。

スローガン作りではなく、の前の問題の解決がゴールです

集団で「答えのない問い」を共に考える

講師がテキストやスライドを説明する「講師から個々に対する、答えのある情報伝達」の研修ではありません。

講師は質問役に徹するのみです。

「職場の全員で考えること」「自分たち自身が、”自分ごと”として考えること」に価値があります。
それぞれの立場を率直に話し合うことで、参加者は「参加した特定の人物を孤立させないようにしよう。」「一人ひとり得手不得手はある。個々の能力を伸ばしていこう。」という気持ちになります。

一人ひとりのその気持ちと、一人ひとりの具体的な小さなアクション参加者が部署を超えて連携していくようになります。最終的には、参加者の一人ひとりが同僚を支え、所属する拠点を支え、さらに会社を支える」という流れになっていきます。

「できない理由」と「結果」よりも、「できたこと」と「目的」

「過去は変えられないが、未来を変えよう」が「ありかた」研修の思想です。

ビジネスの場面にありがちな、出来なかったことや、うまくいかなかったことを責任追及しません。
実践の中で少しでも上手くいったことや、気付いたことにスポットライトを当てます。出来なかったことは、事実は事実と割り切り、率直に振り返ります。失敗は他の人にとって貴重な学びです。