よく聞くが、言ってはいけない挨拶の定型文
社労士会をはじめ、士業系の集まりでは新入会員オリエンテーションがあります。
その場では、新入会員の挨拶があり挨拶の中で、「右も左も分かりませんが、よろしくお願いいたします。一生懸命がんばります。」と言われる方がいます。
盲腸の手術に例えてみて欲しい
でも、考えてみてください。
自分が盲腸の手術で病院に入院したとしましょう。
執刀医の先生が「私は、先日医師免許取ったばかりで、右も左も分かりませんが、一生懸命がんばりますので、よろしくお願いします。」と言われた場合は、あなたは、その先生に執刀を任せるのでしょうか?
たとえそれが、盲腸の手術や虫歯の治療のような、簡単な治療であったとしても不安になるでしょう。
そして、あなたは「先生を変えて欲しい。」と言うに違いありません。
「右も左も分かりませんが..」は自分への言い訳
このように、専門家である以上「右も左も分かりません。」など言ってはいけません。どんなに経験が少なかったとしても、「私にお任せください。安心してください。」と言うのがプロとしての姿勢です。
ついつい、社交辞令や定型の挨拶として「右も左もわからない新人ですが…」と言ってしまうのかもしれません。それは、あなたの心が弱いことであり、単に言い訳をしているだけであり、事前にエクスキューズをいれて、自分の失敗に予防線を張っているにすぎません。
プロの世界では「事前にエクスキューズを入れて」も、決して許されるものではありません。1年目であろうと、10年選手であろうと頼まれた仕事に対しては、期待されたレベルの結果を出していかなければならないのが当たり前の世界です。
「経験の差」がある以上、勝ち目はないのか?
しかし、当然に経験の差はあります。そこは、どのように埋めていけば良いのでしょうか?
それは、10年選手のベテランよりも時間をかけて調べ、お客様と向き合っていく姿勢を見せていくことになります。
良く考えてください。経験年数の差は、処理件数の実績の差でしかなく、経験豊富といっても知恵の出し方に違いはありません。
もし仮に「知恵の差=経験の差」と知恵と経験に相関関係があるのであれば、その業界の長老がiPhoneや電気自動車、GoogleやFacebookを発明するでしょう。
「私は、経験がないから業界では不利」と言っている時点で、既にあなたは負けているのです。
まとめ
話を戻しますが、専門家にも関わらず「右も左もわかりません。ご指導よろしくお願いします。」と口にする時点で、独立・勤務に関わらず専門家としての道は歩むべきではありません。たとえ社交辞令であるとしても、そういった発言はは慎むべきです。